大手3社格安SIMの最新動向|ahamo・povo・LINEMOのコスパ最強プランは?

JavaScriptを有効にしてください

最近の市場動向・契約数・各社の戦略

NTTドコモの ahamo、KDDI(au)の povo、ソフトバンクの LINEMO は、いずれも2021年3月にスタートした大手キャリア直営のオンライン専用格安プランです。サービス開始から約4年が経過し、これら新プランの利用者は着実に増加しています。例えばahamoは2024年9月時点で契約件数が600万件を突破しており、3ブランドの中で最も多くのユーザーを獲得しています。一方、povo2.0LINEMOの契約数は直近で公式発表がありませんが、povoは2022年春時点で約120万件と報じられており、LINEMOも数百万件規模と推測されます。2025年初頭の調査では、ahamo・povo・LINEMOを合わせたオンライン専用プラン利用者はスマートフォン契約全体の約10%に達し、従来のサブブランド(Y!mobileやUQ mobile)に迫る勢いです。また低料金にも関わらず満足度は高く、ユーザー満足度調査ではpovoが総合満足度1位、LINEMOが2位になるなど高評価を得ています(ahamoもNPSスコアでトップ)。

各社とも料金以外の戦略やキャンペーンにも注力しています。ドコモは2024年10月にahamoの基本データ容量を20GBから30GBに増量(料金据え置き2,970円)し、ヘビーユーザー向けに+80GB(合計110GB)を追加できる「大盛りオプション」も提供しています。また、ahamoユーザー限定の光回線サービス「ahamo光」を開始し、契約でdポイント1万ポイント進呈する施策や、乗り換え時に対象機種が最大33,000円割引になるキャンペーンを展開するなど、付加価値サービスや端末割引による囲い込み戦略も打ち出しています。

KDDIのpovo2.0基本料0円から始められる独自路線で、使う分だけ都度課金する「トッピング」モデルが特徴です。低コスト志向やサブ回線需要を取り込みつつ、ユニークなキャンペーンも頻繁に実施しています。例えば他社から乗り換えで条件を満たすと、購入したデータトッピング額の一部をau PAY残高で最大1万円相当還元するキャンペーンや、新規契約者を対象に1GB(7日間)トッピングを100円で提供するウェルカムキャンペーン、ブラックフライデー企画で抽選プレゼントを行うなど、様々なプロモーションで注目を集めています。またpovo利用者でもauオンラインショップで端末購入が可能になるなど、メインブランドとの連携による利便性向上策も取られています。

ソフトバンクのLINEMOは2024年7月末に料金プランを刷新し、「LINEMOベストプラン」を導入しました。小~中容量は使った分に応じて料金が変わる段階制(〜3GB/〜10GBの2段階)、大容量は30GB定額の「LINEMOベストプランV」という構成です。また他社から乗り換えで最大20,000円相当のPayPayポイント還元(新規契約でも最大10,000円分)など大型キャンペーンも実施し、契約獲得に積極的です。LINEMO最大の特徴はLINEアプリのデータ通信量が消費されない「LINEギガフリー」で、LINEでのメッセージや通話が使い放題になるため、LINEヘビーユーザーには大きなメリットとなっています(※一部機能は対象外)。さらに、ソフトバンク/Y!mobileからの乗り換えなら初月基本料0円、通話オプション(5分かけ放題)が1年間無料になる特典、2回線目契約で3,000円相当のPayPayポイント進呈など、豊富な特典と割引で顧客基盤拡大を図っています。

料金プラン比較(料金・データ容量・通話オプション)

各ブランドの主要な料金プランと通話オプションを以下の表にまとめます。いずれも5G対応で追加料金なく利用可能です。月額料金は税込価格です。

ブランド(回線)月額料金・データ容量プラン
(※2024~2025年の最新情報)
通話オプション・料金
ahamo(ドコモ)2,970円(30GB)
※20GB⇒30GBに増量(2024年10月~)
大盛りオプション:+1,980円で+80GB(合計110GB)
5分かけ放題:標準付帯(無料)
完全かけ放題:+1,100円で追加可能
povo 2.0(au)基本料0円(データ容量なし)
※必要な分だけ都度データ購入
例)20GB(30日)2,700円、3GB(30日)990円 等
*180日間トッピング購入なしで利用停止
通話定額なし(従量課金 30秒22円)
5分かけ放題:+550円
完全かけ放題:+1,650円
LINEMO(SB)ベストプラン(段階制):〜3GB 990円、〜10GB 2,090円
ベストプランV:30GB 2,970円
※LINE利用分のデータ消費ゼロ
通話定額なし(30秒22円)
5分かけ放題:+550円(キャンペーン適用で1年間無料)
完全かけ放題:+1,650円
  • 補足: 上記3ブランドはいずれも契約事務手数料・SIM発行料は無料、テザリングも追加料金なく利用できます。またキャリアメールサービスはahamo・povo・LINEMOとも提供なし(必要な場合は各自フリーメール等を利用)となっています。国際ローミングはahamoとLINEMOで対応(ahamoは82の国・地域で追加料金不要で利用可能、LINEMOも海外利用可だが渡航前申込が必要)ですが、povoは海外ローミング非対応なので注意が必要です。

各ブランドのメリット・デメリット比較

最後に、コスト・通信品質・サポート体制・付帯サービスなどの観点で各ブランドの長所と短所を整理します。

ahamo(アハモ)のメリット・デメリット

メリット:

  • 大容量&通話定額: 月額2,970円で30GBの大容量が使え、さらに5分間の国内通話かけ放題が標準付帯しているため、通話料を気にせず利用できます。
  • 速度・安定性: ドコモ本家と同じ回線品質で通信速度が高速かつ安定しており、実測でも平均ダウンロード速度が4社中トップというデータがあります。人口カバー率もドコモ回線の強みで地方や山間部に強い傾向があります。
  • 追加容量オプション: 大盛りオプション(+¥1,980)を利用すれば80GBを追加でき、月計110GBまで拡張可能。ヘビーユーザーやテレワーク利用でも安心です。
  • 国際ローミング対応: 渡航前の申し込みなしで海外82地域で合計30GBまで追加料金なしでデータ通信が可能で、旅行や出張の多いユーザーに有利です。
  • サポート・特典: オンライン完結が基本ですが、困ったときはドコモショップで有料サポート(手続き代行等)を受けることもできます。また支払いにdカードを利用するとデータ容量追加ボーナスがもらえる特典があり、ドコモ既存サービスとの親和性も高められています。

デメリット:

  • 小容量プランがない: 30GBプラン1本のみのため、月数GB程度しか使わないライトユーザーには割高になります。5~10GB前後のプランがない点は他ブランドに比べ選択肢が狭いです。
  • 付加サービス制限: 留守番電話や転送電話などの通話付加機能が利用不可で、キャリアメール提供もありません。他社メールや留守電アプリで代替する必要があります。
  • 店舗サポートは限定的: 原則オンラインサポートのみで、ショップ対面サポートは有料かつ手続き代行など限定的な内容に留まります。対面でのきめ細かいサポートを求める人には不向きです。
  • 割引適用外: ドコモの家族割や光回線セット割など各種割引はahamo契約回線には適用されない点にも注意が必要です(その分基本料金が割安に設定されています)。

povo(ポヴォ)のメリット・デメリット

メリット:

  • 月額基本料ゼロ: 基本料0円から運用可能で、使わなかった月は完全に料金を抑えられます。月によってデータ使用量にばらつきがある人やサブ回線には最適です。
  • 柔軟なトッピング制: データ容量を必要なときに必要な分だけ購入できる追加課金制のため、無駄がありません。例えば「今月だけ20GB欲しい」「旅行で1日だけ使い放題が欲しい」といったニーズに細かく応えられます。
  • 業界最多クラスの容量選択: 最大360GB(365日有効)といった超大容量のデータも購入可能で、長期間まとめ買いすれば割安になります。短期の「24時間データ使い放題」「7日間使い放題」などユニークなトッピングも揃っています。
  • 低コスト運用: 使わない月は0円、必要な月だけ課金できるため月額料金を最も安く抑えられる可能性があります。特にデータ通信メインのサブ端末用途や、Wi-Fi併用で月数百円程度に抑えるといった極限までのコスト削減も可能です。
  • オプション追加も可能: 標準では通話定額等はありませんが、必要に応じて5分かけ放題(¥550)や完全かけ放題(¥1,650)を後付け可能。また音楽・動画サービスの使い放題パスなど期間限定のエンタメ系トッピングも出ることがあり、用途に合わせてサービスを拡張できます。なお通信品質はau回線そのもので、速度・エリアともメインブランドに遜色ありません。

デメリット:

  • 長期間未利用で停止リスク: 180日間トッピング購入がないと回線が自動停止(利用休止)し、その後30日経過すると契約解除となってしまいます。ごくたまにしか使わない場合は、このルールに注意して最低でも半年に一度は何らかの有料トッピングを購入する必要があります。
  • サポートがオンライン限定: povoには実店舗の窓口がなく、電話問い合わせも不可です。サポートはチャットやWeb問い合わせフォームのみのため、対面サポートが欲しい人や初心者にはハードルが高い面があります。
  • 提供サービスが最小限: コスト削減のためサービス内容も最小限で、キャリアメール非対応、留守電・転送などの電話付加サービスも提供されません。また国際ローミングも利用できず海外では圏外になります。機能面が限定的なため、メイン回線として使うにはやや心許ないとの指摘もあります。
  • 支払い方法の制約: 利用料金の支払いはクレジットカード限定となっており、口座振替やキャリア決済、電子マネー等には対応していません。クレジットカードを持たない人には契約ハードルとなります。
  • 通信制限時は低速: データ使い切り時の速度制限は最大128kbpsと非常に低速です(実質的には通信不可に近いため追加チャージが必要)。月末に速度1Mbps制限となるahamoなどに比べると、速度制限下での利便性は劣ります。

LINEMO(ラインモ)のメリット・デメリット

メリット:

  • LINEが使い放題: 最大の特徴は「LINEギガフリー」で、LINEアプリでのメッセージ送受信や音声・ビデオ通話のデータ通信量が消費されません。家族や友人との連絡をLINEに頼っている人にとって、大容量を消費せず安心して使える利点です(※ただしLINEの一部機能・サービスは対象外)。
  • 選べる料金プラン: 〜3GBと〜10GBの段階制プラン30GB定額プランがあり、自分のデータ利用量に合わせてプランを選択できます。ahamoには無い少容量プランも用意されており、ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広くカバーします。
  • 通信品質と安定性: ソフトバンク本体と同じ回線を使用するため、通信エリアや速度の安定性は折り紙付きです。実測でも応答速度(Ping値)の低さなど優秀な指標が出ています。地下や地方でも繋がりやすいソフトバンク回線のメリットを享受できます。
  • 豊富なキャンペーン: 他社からの乗り換えで最大20,000円相当のPayPayポイント進呈や通話オプション無料化など、お得なキャンペーンが多彩です。特に5分かけ放題オプション(通常¥550/月)が契約から1年間無料になるキャンペーンは大きな魅力で、音声通話をよく使う人のコストを削減できます。
  • 付加サービス対応: 格安SIMでは珍しく留守番電話・着信転送・着信通知といった通話付加サービスがオプションで利用可能です(+¥220/月でセット提供)。またLINEMO契約ではソフトバンクまとめて支払い(キャリア決済)も利用できるため、対応サービスの支払いを通信料金と合算するといった使い方もできます。さらにソフトバンクグループの強みで、契約者向けに豊富なPayPayポイント還元施策が展開されている点も見逃せません。

デメリット:

  • 大容量プランがない: 月間データ容量は最大30GBまでで、それ以上の無制限プランや50GB超のプランは提供されていません。大量にデータを使いたい場合はLINEMOではなくソフトバンク本ブランドや他社無制限プランを検討する必要があります。
  • データ繰越不可: 余ったデータ容量を翌月に繰り越すことはできず、毎月使い切りとなります。使わなかった分のデータを無駄にしたくない人には不向きです。
  • サポートと端末調達: オンライン専用ブランドのため実店舗でのサポートは受けられず、全てWeb上での手続きとなります。またLINEMO自身は端末販売を行っておらず、スマホ端末をセット購入できない点にも注意が必要です(必要な場合はSoftBankショップや家電量販店等で端末を別途用意する必要があります)。
  • 通信制限時の速度: プランごとの制限容量を超過した際の速度制限は最大128kbpsと低速です(例:段階制プランで10GB超過時や30GBプランで規定量超過時)。混雑時間帯などに速度制御がかかる場合もあり、大容量通信時には注意が必要です。
  • LINEギガフリーの例外: LINE利用時のデータ消費0とはいえ、一部のLINE機能(例:タイムラインの動画閲覧やKeepへの大容量ファイルアップロード等)はギガフリーの対象外でデータを消費します。完全に通信量を気にせず使えるわけではない点に留意が必要です。
  • キャリアメールなし: 他のオンライン専用プラン同様にキャリアメールアドレスの提供がなく、必要な場合はフリーメールやYahoo!メール(SoftBank提供の無料メール)等で代替する必要があります。

参考: 上記3ブランドはいずれも契約期間の縛りや解約金はありません。主要な違いはサービス内容と料金体系にあります。総じて、ahamoは大容量+高品質でバランス重視、povoは徹底した低コストと柔軟性重視、LINEMOはLINE使い放題など独自特典と小容量から選べる手軽さが特徴と言えます。自分のデータ利用状況や重視するポイントに合わせて、最適なブランド・プランを選択してください。

参考文献・情報源


スポンサーリンク

共有

もふもふ

プロフィール

著者
もふもふ
プログラマ。汎用系→ゲームエンジニア→Webエンジニア→QAエンジニア